メトホルミンで痩せる理由は?
この記事では、メトホルミンで痩せる理由について説明します。
- 筋肉での糖の利用を高める
- 肝臓で糖をつくるのを抑える
- 小腸からの糖の吸収を抑える
メトホルミンは糖尿病の薬なので血糖値を下げる効果があるのですが、そのための作用が痩せる要素と重なっているわけです。メトホルミンで痩せる理由をもっと詳しく知りたい方は続きもお読みください。
インスリンとは
インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、細胞が血液中のブドウ糖(血糖)を取り込みエネルギーとして利用する際に必要です。タンパク質や脂肪を合成する働きをします。
インスリンが不足すると…
インスリンが不足すると血糖は細胞内に取り込まれなくなり、血液中に血糖が多くなって高血糖になります。
メトホルミンを服用すると…
メトホルミンを服用するとインスリンなしで血糖値を下げられるので、タンパク質や脂肪を合成する働きをもつインスリンの分泌が促進されなくなります。その結果として痩せるという流れですね。
メトホルミンの副次的効果
メトホルミンには血糖降下作用だけでなく、体にとって良い働きである副次的効果があります。いろいろあるようですが、この記事では「痩せる」を含めた4点について説明します。
体重減少
メトホルミンを内服すると体重減少効果があることが報告されています。日本人を対象にした試験では、メトホルミン投与開始26週から体重減少が認めれられて、54週には約1kgの減量効果が認められたそうです。
LDL(悪玉)コレステロール低下
メトホルミンには脂質低下作用があるので、血液中の悪玉コレステロールの減少をもたらします。日本人を対象にした試験では、LDLコレステロールは13.6mg/dl低下したそうです。
心血管系リスク低減の可能性
メトホルミンは過去の臨床研究では、心血管系イベントの抑制効果が報告されていました。現在は、はっきりとした確証は得られていないので「可能性」という表現にとどめます。
癌リスク低減
2型糖尿病患者にメトホルミンを使用すると、癌の発症と癌死亡のリスクが低下します。特に、肝がん、大腸がんの発生リスク低減が認められたそうです。